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大気は毒と化し、雲は酸の雨を降らせ、濁る海は重く波打たない。
山の如く聳える廃棄物と、暴利を貪る貴族。
民はみな貧しく、一縷の希望もなく生きていた。
二年前、ひとりの英雄が現れるまでは。
■地獄道「アビ」
■地図とか載せる用
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三百年前、大陸全土で行われた「魔術師狩り」
国を追われた哀れな魔術師を迎え入れたのは、一つの大樹
それが36の小都市から成る、魔術師達のおとぎの国・大森園プレッタ
彼らは母なる樹を守り守られ生きてゆく。例え何を犠牲にしても
■餓鬼道「プレッタ」
大陸最大の巨木・聖樹パーリジャータ。
その中に点在する三十六の小都市からなる、魔術師の国。
現在は幼い魔女姫に統治される女王国家となっている。
■地図
・花の揺り篭シェイベン 大樹の天辺にある揺り篭のような花の園。大魔女姫が住まう エサ:童話
・不夜城ジーゲ 蔦の茂る常闇の歓楽街。夢を食べられる、不眠症と悪夢の街。 エサ:夢
・甘き漣ジュカルム 樹液地帯のオアシス エサ:体温
・樹海迷路ラーゼッツ 深き樹海の迷路。長居してはいけない。辻を曲がる度、自分の名すら忘れる エサ:記憶
・香の街ジッケ 白い香木の街。とても良い匂いがする。常に煙が上がっている。長居すると煙しか食せなくなる。エサ:幻
・琥珀の街キーマンル 琥珀の街。琥珀の美しい細工で作られた美術都市。魅入り過ぎると視力を失う エサ:視線
・人形の街ジョーニルム 尖った枝の茂る魔女の住まう街。トウカトウカ最寄の街。人形があちこちにぶら下がる エサ:血
・洞の街ユーミル 木の洞(ウロ)の街。巨大な蟻を放牧している。エサ:声
・嘆きの街シレコー 苔の生い茂る街。もっとも階級の低い者達が暮らす。 エサ:涙
・火爐ジキカタン 網状の根の内側にある、魔女達の秘密の大鍋の街 エサ:鍋の中身
・隠れ家ミトル 大魔法使いの住まう六角の果実の棲家。女王と袂を分かつ不老の魔術師一族。エサ:時間
無数の黒いカンテラが垂れ下がり、壁は全て本棚。隠者長シルトクレーテ(ジル)はシャサと旧知の仲
他、計36都市。上から下にゆくに伴い、身分階級も下ってゆく。
■聖樹と魔術師達の『契約』
三百年前、大陸全土で勃発した『魔術師狩り』にて、多くの魔術師(ヴェーダ)が処刑された。
国を追われ命の危険に曝され、逃げ続けてきた魔術師達が辿り着いたのがこの聖樹パーリジャータ。
大陸創世の頃からあるといわれる大樹に、魔術師達は願いを捧げた。
「どうか我らの宿り木となっておくれ。その代わり、我らはお前に与えよう」
三十六人の魔術師は、それぞれ違った贄を差し出し、樹はそれを受け入れ、急成長した。
やがて一つの国ほども大きくなった樹に、魔術師達は自分の国を作り始めた。
三十六の贄餌は今も尚受け継がれ、都市毎に奉納されている。
以上プレッタメモ。
国土の殆どが雪と氷に覆われる極寒の大地。
しかし、そこに住まう十二の氏族からなる『カナンの民』は
唯一無二、己が絶対領土であるマヌーシャを誇りに想い、強く生き抜いてきた。
百年以上前、天使達の侵略を受け戦火に曝されるまでは。
■人間道「マヌーシャ」
十二の氏族からなる共和制国家。
シドン、ヘト、エブス、アモリ、ギルガシ、ヒビ、アキル、シニ、アルワド、ツェマリ、ハマト、そして直系カナンの12の氏族からなる『カナンの民』に統治されている。
■カナンの民
マヌーシャに住まうカナンの民は大陸の中で、最も強く賢い民族であった。
力や知恵は勿論、魔術も卓越した彼らは、自らを「神の子孫」「選ばれし民族」と称し、大陸の覇者として君臨していた。
■ティラ・ゴルンとの『北方百年戦争』
己が力以外を頼らず、それゆえ祈る神を持たず、自分達が大陸で最も優れている種であるという誇りを持ち、天帝の支配に下ることを拒んだ彼らは、やがて『ティラ・ゴルン』天使達と抗争状態に陥る
天帝信仰の『ティラ・ゴルン』と人間崇高主義の『マヌーシャ』の戦い。
現在より百年以上前に勃発した、『北方百年戦争』である。
アナレト・ニームロード・バル・カナン。
マヌーシャの十二氏族を纏めるカナン族の元首。ティラ・ゴルンとの戦争においては常に先陣を切って戦った。我らの姫様と多くの民に慕われるものの、四十年前に戦死。享年19歳。
■マヌーシャの敗北
一進一退の戦況は百年以上続くも、寿命を持たぬ天使たちと、錬金術にて作り出された兵器・飛行軍艦を前に、遂に約四十年前、二国間の戦いはマヌーシャの敗北にて終戦を迎えた。

マヌーシャの多くの捕虜はティラ・ゴルンの煉獄都市サイプレスに収容され、更正教育を受けさせられた。
マヌーシャの多くの捕虜はティラ・ゴルンの煉獄都市サイプレスに収容され、更正教育を受けさせられた。
しかし最後まで逆らい続けたカナンの民は、天使によって虐殺されていった。
それでも戦争終結から数十年経った現在、マヌーシャにはまだ細々と隠れ暮らすカナンの民がいる。
そしてその民を、天使達がマヌーシャに訪れては攫い、サイプレスに収容し更正or粛清を繰り返していることを、ティラ・ゴルンで平和に暮らす民達の多くは知らない
―――そして現在
ある時、いつもの如くティラ・ゴルンの飛行船舶がマヌーシャを偵察し、隠れ住んでいたカナンの民を見つけた。
逃げ惑うカナン人を追い回す下級軍人天使たち。その刹那、船舶は爆発し天使たちは血祭りに上げられた。驚愕するカナン人達の前に現れたのは、戦火に散ったはずのカナンの騎士達と、元首姫君・アナレトであった。
今や記憶から歴史となりかけていたカナンの勇士と、数十年前と何も変わらず美しい姿の姫に、カナンの老人達は号泣。
若者は伝承の存在が目の前に現れ、己の中に眠るカナンの誇りを取り戻す。
アナレトは民を睥睨し、高々と宣言する。
「待たせたな、愛しき我が同胞達よ。
今より我らは再び戦火を熾し、神を騙りし愚か者共を断罪する。
誇り高きカナンの民よ、あの忌むべき詐欺師を玉座から引き摺り降ろせ!
天使を謀る虫ケラ共を殺し尽くせ!偽りの光に盲いた同胞たちの目を覚まさせろ!
この大陸を、欺瞞の支配から開放するのだ!!!」
逃げ惑うカナン人を追い回す下級軍人天使たち。その刹那、船舶は爆発し天使たちは血祭りに上げられた。驚愕するカナン人達の前に現れたのは、戦火に散ったはずのカナンの騎士達と、元首姫君・アナレトであった。
今や記憶から歴史となりかけていたカナンの勇士と、数十年前と何も変わらず美しい姿の姫に、カナンの老人達は号泣。
若者は伝承の存在が目の前に現れ、己の中に眠るカナンの誇りを取り戻す。
アナレトは民を睥睨し、高々と宣言する。
「待たせたな、愛しき我が同胞達よ。
今より我らは再び戦火を熾し、神を騙りし愚か者共を断罪する。
誇り高きカナンの民よ、あの忌むべき詐欺師を玉座から引き摺り降ろせ!
天使を謀る虫ケラ共を殺し尽くせ!偽りの光に盲いた同胞たちの目を覚まさせろ!
この大陸を、欺瞞の支配から開放するのだ!!!」
歓喜とに沸くマヌーシャの、その場にいる誰もが気付いてはいない。否、気付かぬ振りをしているのか。
死者は戻りはしない。自然の摂理は、この世の法則はそれを許しはしない。
しかしそれがありうるならば、世界は狂ってしまったということ。
それともこの世の道理から外れた、「何か」の介入に拠るもの。
或いはその両方であるということを。
―――そして再び過去
アナレトには、アスタルテという十歳以上離れた異母妹がいた。
カナン人は純血主義だが、妹は混血児であった。それでもアナレトは妹を大いに愛し、可愛がった。
そのアナレトが戦場で散り、マヌーシャとティラ・ゴルンの戦局は大きく変わった。それから数年後に、マヌーシャは敗北した。
カナン人は純血主義だが、妹は混血児であった。それでもアナレトは妹を大いに愛し、可愛がった。
そのアナレトが戦場で散り、マヌーシャとティラ・ゴルンの戦局は大きく変わった。それから数年後に、マヌーシャは敗北した。
ティラ・ゴルンの煉獄連行にて、マヌーシャの民は徐々に減っていった。特にカナン族は、天帝を最後まで拒絶し多くが殺された。
その頃、成長したアスタルテは子供を身篭っていた。
アスタルテは誇り高き姉のようカナン族として死ぬか、ティラ・ゴルンに降り子供と安寧の暮らしを得るか、選択に迷う。
その頃、成長したアスタルテは子供を身篭っていた。
アスタルテは誇り高き姉のようカナン族として死ぬか、ティラ・ゴルンに降り子供と安寧の暮らしを得るか、選択に迷う。
結果彼女が選んだ道は、マヌーシャでもティラ・ゴルンでもなく、故郷の出奔であった。
行く当てもなく彷徨い歩き、ただひたすらに遠くの地を目指す、身重の彼女が道中耐えられたのは、正しく彼女の血の半分がカナンである証拠であった。
北から遠く離れ、やがて彼女が行き着いたのは、大陸最南端、南方廃棄物国家『アビ』
行く当てもなく彷徨い歩き、ただひたすらに遠くの地を目指す、身重の彼女が道中耐えられたのは、正しく彼女の血の半分がカナンである証拠であった。
北から遠く離れ、やがて彼女が行き着いたのは、大陸最南端、南方廃棄物国家『アビ』
彼女はそこで漸く子供を出産した。故郷の雪のよう真っ白な息子を。
その子に名付ける際、故郷の言葉を使えば天使に素性が割れるかも知れないと危惧し、アビの言葉で雪と名付けることに決めた。
だが雪の降らぬアビにその言葉はなかった。だから彼女は代わりに名付けた。『白』と。
その子に名付ける際、故郷の言葉を使えば天使に素性が割れるかも知れないと危惧し、アビの言葉で雪と名付けることに決めた。
だが雪の降らぬアビにその言葉はなかった。だから彼女は代わりに名付けた。『白』と。
後のアビ国主、白瀧である。
精霊に憎悪された天使達の国は、光に背かれ闇に苛まれる常闇の国。
地は逃げ、水は潤さず、火は暖めず、風は立ち止まる。
しかし、天使達はそれらを錬成し、自然における元素全てを造り出した。
『白き英知の錬金術国家』ティラ・ゴルン。そこにある全ては、紛い物である。
■畜生道「ティラ・ゴルン」
■賛美歌と金(オル)
『光あれ 永遠なる天帝陛下。
幸福の時が続きますように。
愛の歌が絶えませんように。
命に終わりが来ませんように。
命に終わりが来ませんように。
瑕疵なき環(ウロヴォロス・オフィス)よ 我らを受け入れ給え』
ティラ・ゴルンの定時放送と共に謡われる賛美歌によって、国中に金色に煌く粒子が産まれる。天使たちの錬金術に最も重要である『金(オル)』である。
人間の信仰心によって生産される金はマテリアを生むエネルギーとなり、天使たちの命を繋ぐエリキサの元ともなる。
ティラ・ゴルンの錬金術は、金を錬成するのではなく、金によって錬成される。
賛美歌や礼拝は、人間達に課せられる最も重要な仕事であり
逆に天帝や天使への信仰心さえあれば、ティラ・ゴルンにおいての衣食住は全て保障される。
最も、殆どの人間は自ずと篤い信仰心を抱き、当然の如く天帝へと祈りを捧げる。
(この記事はあとで色々追加するかも)